【サルコペニア】【フレイル】【ロコモティブシンドローム】これらの予防に太極拳!

昔、日本は「高齢化社会」という表現をしていた時代があった。でも今は「高齢化社会」ではない。人口比率の変化により「超高齢社会」となって久しい。医療保険制度や、生産年齢人口の減少のことを考えると、言わずもがな少子高齢化は大きな社会問題である。

私の周囲では、過去に不妊治療を行っていた人が数名いらっしゃった。その時、治療を受けていたご本人からは、「とにかく不妊治療にお金がかかり過ぎる」、そして「体や精神面にも大きな負担がかかり非常に辛い」という話をお聞きしていた。

不妊治療への保険適用や助成については、菅総理が総理大臣に就任してから明言した通り、やっとこれから国が本腰を入れ、本気で政策として進めていくという。助成制度は平成の時代からあったようだが、条件の緩和や保険適用に関しては、はっきり言って国が本腰を入れるのが
20
年遅かったのではないかと思う。

健康への常識や考え方


日本が今「超高齢社会」になっている中で、テレビではこの数年、健康番組がとても多くなった。NHKは勿論のこと、民放でもタレントさんが出てきて健康チェックをしたり、体に良い料理や健康体操などを紹介する番組がとても多い。

現代の日本では、食品化学、栄養に関する研究、そしてスポーツ科学分野の研究が急速に進んでいるので、科学的検証に基づいて発表された内容を、テレビの健康番組で紹介しているケースが多い。

こういった番組をみていて、思うことがある。昔の一般的な健康に関する常識というのは、かなりいい加減なものが多かったように思う。食べあわせの事なんかも、随分と迷信めいたものが多い。ほかにも、いろんな健康に関する常識、食べ物の食べ方など、昔、誰が言い出したのかは分からないが、伝承の中には、当たっているものもあれば、見当違いで間違っていた内容もある。


例えば、「食べてすぐ運動したら駄目
」と昔の人は言っていた。確かに、食後に激しい運動は消化に良くない。でも近年の常識では、「食後に少し時間を置いての軽い運動なら、かえって良い」という説の方が優勢になっている。栄養過多の時代にあって、食後すぐに軽い運動をすれば、糖質を素早く消費できるので良いらしい。

ほかにも、赤ちゃんが泣くたびに抱いてあげると「抱き癖がつくから良くない」、「抱き癖がついたら心身の成長に悪影響を及ぼす」という説が昔あった。でも今は、真逆の説の方が良いとされている。泣いたら抱いてあげることで、赤ちゃんの精神が安定する。そして、親と赤ちゃんの双方に、幸せホルモンと言われる「オキシトシン」が分泌されるから、頻繁に抱いてあげる事はとても良いことなのだそうだ。


サルコペニア】【フレイル】【ロコモティブシンドローム】について


とにかく超高齢社会の日本で生活していると、雑誌やテレビなどで、「高齢の方はこんなことに気をつけましょう」という内容を頻繁にみかける。若い世代の人はスルーしてしまうかもしれないが、私は、自分より30歳くらい年上の方にも太極拳を健康法として指導させていただいているので、なるべく高齢者の方々にまつわる健康情報にはアンテナを張るようにしている。もちろん自分の健康のためでもある。

中高年以上、特に高齢者の方々が気をつけなければならない事は、とにかく沢山あるが、大括りで整理しようと思えば、【サルコペニア】【フレイル】【ロコモティブシンドローム】というワードが浮かんでくる。(私は医療・福祉分野の専門家ではないので、以下の説明には稚拙な部分が出てくるので、どうかご容赦ください)

<サルコペニア>


サルコペニアとは、年齢を重ねていくこと、つまり老化によって筋肉がやせ細って筋肉量が減ってしまうこと、またその事によって筋力が低下する状態のことを指す。

筋肉量が減ってしまうと、体に様々な悪影響が出てくる。血流が悪くなり、冷えやすくなる。そして転倒しやすくなる。そうなると怪我や骨折の懸念も大きくなってしまう。


サルコペニア筋肉イメージ


(太極拳をやっていけば
👍


サルコペニア予防には、もちろん太極拳を健康法として生活に取り入れることは有効である。

ただし、1ヵ月に1回程度しても意味がない。1回ごとの時間は長くなくてもいいので、週に何度か太極拳の動作を行う時間を設ける。そしてこれを数ヵ月〜数年単位で、地道に続けることが大事である。

高齢者が健康を維持するには、体に良い事を長く継続して行う必要がある。1〜2週間に1回だけとか、ちょっと動く程度では、筋肉は沢山は養われない。きちんと長く稽古を続けていけば、必ずインナーマッスルが鍛えられる。

<フレイル>


サルコペニアが筋肉量の減少に特化して警告を鳴らす考え方であるのに対し、フレイルは、筋肉量の減少のみならず、心身の衰え全般を捉えている。体の衰えは勿論のこと、心、精神面も快活に保てなくなる状態。

体が弱る事と、精神面が無気力になる事は繋がっていて、動くのがとても億劫になったりする。

酷い場合は、脳機能の衰え、ヨタヨタと歩いてしまう、手先が思うように器用に使えなくなるなどの症状が現れる。これは悪化すると要介護に繋がってしまうような、健康を保つ上では非常にリスクの高い状態である。

フレイル高齢者イメージ


(太極拳をやっていけば👍

太極拳の動きをゆっくりと、気持ちよく、深〜い呼吸をしながら行うことで、リラックス効果がある。

リラックスすることによって心身が癒され、稽古が終わる頃には、心も体もまるで憑き物が落ちたようにスッキリと軽くなる。そうなることで憂鬱だった気分も明朗快活になり、明日への活力が湧いてくる。

太極拳はインナーマッスルを使うので脂肪燃焼効果があり、代謝もアップする。食が細い人も食欲が出てきて、体がしっかりと栄養を取ろうと、栄養を欲するようになる。

<ロコモティブシンドローム>


ロコモティブシンドローム。これも前述のサルコペニアやフレイルと似た概念である。運動機能が低下する事で、体を動かすことや、自分の力で移動することが困難になる状態。

加齢や運動不足により、筋力低下、運動機能の低下が起こる。そうすると出歩くことが億劫になったり、立ち上がることさえ困難になる人も出てくる。転びやすくなったり、少し足腰を動かすだけでバランスが取れなくなってしまう。

足元がおぼつかなくなって雨や雪の日に外を歩けないほど安定感が失われるとか、階段をのぼる事ができない、介助の人や手すりが無ければ動けない、極端に歩くのが遅くなり信号が変わるまでに横断歩道を渡り切れない、犬の散歩でさえも危険な行動になってしまう等々、日常生活で様々な弊害が出てくる。


ロコモティブシンドロームイメージ


(太極拳をやっていけば👍


太極拳は、バランス感覚を向上させる運動である。脚の関節を常に緩め、バランスよく型を行うので、高齢の方がスムーズな歩行をするための訓練になる。

型によっては、片足立ちになるものもあるので、普段の稽古の際に片足立ちの練習をしていけば、足が床から上がらず躓いて転ぶのを防止できる。

体中の関節、特に股関節を柔らかく使う運動なので、普段の生活に太極拳を取り入れていけば、柔軟な体を作っていくことができる。



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筋肉量のピークは
20代前半だと聞いたことがある。だから、体をしなやかに、正常に保つためには、30代、40
代から、もう運動を始めなければならない。

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