下手の横好きが二胡を弾く

何となく流れでトライしてみた二胡


太極拳に出会った流れで、中国の文化や思想に興味を持ち、その流れで数年前に二胡を弾いてみた。弾いてみたといっても、恥ずかしながら初心者レベルで、弾くというより「雑音を出す!」といったところ。

過去に、私の身内が数年間、中国人の先生(日本在住)に二胡を習っていた。私は身内から基本的な弾き方を少し教えてもらい、あとは適当に1人で少しずつ練習してみた。

二胡 イラスト

私の生活の中では、二胡を触ることはメインではないので熱心に練習しない。だから当然上達もせず、とにかく低レベルな状態。それでもやっと超簡単な曲を、数曲だけは弾けるようになった。

熱心な人はきっとたくさん練習して、1ヵ月に3曲くらい仕上げる人もいらっしゃると思う。私は、ごくたまに弾くだけなので、半年~1年かけ、簡単な短い曲をやっと1曲を弾くレベル。それでも、百里の道も一歩からと言うので、ほんの一歩踏み出しただけでも、「何かにトライしたことが良いことなんだ」と、自分を慰めている。


最初は「ギコ、ギコ」という雑音から


私は昔、子供時代にピアノを
10年ほど習っていた。でも、ピアノの楽譜が読めても、二胡には関係ない。二胡の楽譜は、まるで暗号みたいに数字が羅列してあって、ピアノのおたまじゃくしの楽譜が読めるからといって、それは二胡の楽譜を読むのには何の役にも立たなかった。

二胡 楽譜の例

↗ これは二胡を習っていた私の身内が以前、中国人の先生に頂いた楽譜


初めて弾いた頃は、とにかく雑音しか出なかった。「ギコ、ギコ」という雑音だけ。少しずつ地道に練習し、弓を柔らかく引くと、スーッと弦を流れるような感覚がだんだんつかめるようになり雑音は多少は減った。

私は太極拳でも何でも、とにかく少しのことを習得するのに時間がかかる不器用な人間なので、二胡も雑音が減るまで1ヵ月強かかったと思う。よく尺八の練習をする人が「首振り三年ころ八年」というけれど、二胡の雑音が出なくなるのも結構日数がかかる。正直に言えば、私は今でも雑音をいっぱい出している。


まるで人の声のような独特の音色


二胡 中国の楽器


上記画像のウチの二胡。これは中国に行って買ってきたのではなく、個人輸入したわけでもなく、身内がお世話になっていた二胡の先生から中古品として譲り受けたもの。ちなみに中国から“制約なく”気軽に二胡を購入(輸入)することはできない。なぜなら二胡の表面にはニシキヘビの皮が張ってあり、このニシキヘビの国内持ち込みはワシントン条約で規制されている。

だから二胡を購入して日本に持ち込むには、面倒な税関への書類の提出など、ちょっとした段階を経ないといけないらしい。これから手軽に二胡を始めたい人は、日本の楽器店で二胡を置いているところで探すか、指導者に相談した方が良いと思う。

二胡は、黒檀などの硬い素材で作られている。値段はピンからキリまである。もちろん弦は2本。弦の中に弓が入り込んでいて、弓を本体から外せない構造なので、ちょっと扱いづらい。

余談になるが、日本では「和胡」という楽器が作られているらしい。ニシキヘビじゃなくて和紙が張ってある。和胡の音色は二胡と良く似ているらしいけれど、私は和胡の生演奏を聞いたことがない。

ところで二胡は、その音色がもっとも人間の声に近い楽器と言われており、高音は赤ちゃんの泣き声のようでもあり、そっと奏でる音は温和な女性の声のように柔らかく響く。

私は普段、プロ奏者ジャー・パンファンさん(賈鵬芳)の曲をよく聴いている。とても癒しになる。この方はよくテレビ出演されるので、日本で最もメジャーな二胡奏者だと思う。

参考:リンク
https://www.youtube.com/watch?v=x8144D5PkfU


他にも、シュ・ショウヨウさん(朱昌耀)の音楽をよく聴いている。これを聞くと、中国の風光明媚な山水画のような情景が脳裏に浮かんでくる。

参考:リンク
https://www.youtube.com/watch?v=nt-cE6c7n3c


二胡も太極拳も、背中、肩、腕をゆったり柔らかく使う


二胡の演奏曲として有名な「賽馬」という曲がある。馬がギャロップで駆けているようなイメージの曲。とにかく速いテンポで忙しい。

参考:リンク
https://www.youtube.com/watch?v=yUnZZEqhjD4

すごく難しそうな曲。でも、私の身内がお世話になっていた二胡の先生がおっしゃっていたが、賽馬という曲は、実は、ある程度練習し、弓使いに慣れれば「割とすぐ弾けるようになる方だ」とのこと(ただし初心者が弾くのは無理)。

そういえば太極拳を初めて習いに来た人が、よく「ゆっくり動作をするって難しいんですね~」とおっしゃるのを聞く。たしかに、ゆっくり動作をするには、絶妙なバランス感覚と適度に鍛えたインナーマッスルが必要。だから初心者の方の中には、稽古中、安定感がつかめず最初はグラグラする人もいらっしゃる。

ゆっくり動くと、体のいろんな部分がどう動いているのかハッキリみえてしまうので、ごまかしがきかない。二胡の演奏曲も、テンポが速いものが難しいとばかりは言い切れないようだ。

二胡を弾くとき、肩や腕、背中は柔らかい動きが求められる。硬さは邪魔になる。この「柔らかさが求められる」という点は太極拳と似ている。腕や手先だけで弓を動かすのではなく、柔軟な背中や腰で操作するような感覚が必要になる。

私のような下手の横好きレベルの素人でも、「いかに体を柔らかく使うか」という点で、太極拳動作との共通点を感じずにはいられない。

太極拳をするようになってからというもの、自分の「後ろ側」に意識が向くようになった。「背中を柔らかく使う」というのは、運動、文化的なもの、いろんな分野に共通する要領かもしれない。

太極拳、二胡、書道などは、ジャンルは全く違うけれど、どれも背中の動きが柔軟なほど上手くいく。書道も決して手先だけで書くものではなく、肩甲骨まわりの柔軟さ、体全体の調和、心地よいリズムで書くことが素晴らしい作品を生み出すのだと思う。

・・・・・

下手の横好きの私の演奏、恥を忍んで音声アップします。雑音もします!
お耳汚し!?になると思いますので、私の短い演奏を聴いたあとで、プロ奏者の演奏を動画サイト等でお聴きになれば、「プロというのがどんなに凄い音色を出すのか」、対比してより美しく感じられることと思います💦

→ 素人演奏の音声💦

世の中には相反するものが調和して存在する。私のような下手な演奏をする人間がいるから、プロの演奏の凄さがより引き立つ。私の雑音を聴いたあとに、この記事にリンクをはったジャー・パンファンさんの演奏などを、お口直しならぬ、お耳直しにどうぞ。







コメント

Unknown さんの投稿…
お久しぶりですYmです。
ようやくワクチン接種もできたので,近日中に太極拳サークル再開予定となりました。
二胡とはすごいです。
他の楽器と違い,なぜか人の肉声に近いものを感じるんですよね。
始めたばかりで音程とれるなんてすごいと思います。
私は根っからの音痴でして,コロナ自粛期間に勢いで買ったカリンバも数日で挫折しました。(^^;
タイチーマルゲリータ さんの投稿…
Ymさま。こんばんは🌃
私の仲間内でも、コロナで太極拳の稽古を長く休んでた人が結構いました。
私は、感染対策をしながら続けておりました。
そちらの太極拳サークルは再開とのことで良かったですね!!

カリンバをお持ちなんですね~音色が綺麗ですよね(^^)
楽器って、本当に気分が乗った時じゃないとヤル気になりませんよね💦
ぼちぼちやっていきましょう!(^^)!
コメント御寄せ下さってどうもありがとうございました(^^)
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