みうらじゅんさんの言葉、「老いるショック」
イラストレーターなど複数の肩書きを持つみうらじゅんさんは、テレビ出演の機会も多い方なので、以前から「面白い人だなー」と思いながら観ていた。ゆるキャラ、マイブームといった言葉を生み出した方らしく、面白い発想やアイデアの宝庫と言える人だと思う。
ずいぶん前、そのみうらさんが若者に向けて講演会をされている様子がテレビ放映されたのを観た。
(※最後の講義という番組→https://amass.jp/132340/)
若者を何十名か集めていろんな話をされる中で、みうらじゅんさんが「老い」に関して面白い表現をされていた。
~ 老いるショック ~
(※みうらさんがインタビューに答えていらっしゃるサイトもありました。ここでも「老いるショック」について触れておられます。
→https://kaigo.homes.co.jp/tayorini/interview/miurajun/)
「老いるショック」を感じたとき
私はまだ高齢者ではない。しかし中年の域には達しているので、やはり「老いるショック」を感じることも最近増えてきた。
まず10代、20代の頃には感じなかった疲れやすさ、疲れの抜けない感じ。そして髪の生え際に増えていく白髪。知っているはずの人の名前が、なかなか浮かんでこないことも増えた。
それからモスキート音が聞こえない!
道を歩いていて10代の若者が「うるさーい」と言うモスキート音の発生装置がある場所で、自分は見事に何も聞こえない。これには軽いショックを受けた。
※(参考)モスキート音についてのウィキペディアの説明
耳の蝸牛にある有毛細胞は年齢と共に衰え、現段階の再生医療をもってしても再生不可能らしい。
ダメージを受けた部分がもう再生しないのなら、せめて今上手く機能している部分だけでも健やかに保ちたい。だから私は、ときおり耳まわりのツボを刺激して、耳まわりの血流を促し、老化に抗っている。ヘッドフォンで大音量を聴くこともしない。
目の方は、20代、30代の頃にはなかった“かすみ”とでも言うのか、夕方になると何となく目が疲れてショボショボする感覚が出てきた。ただ救いなのは、細かい字は見える。老眼鏡はまだ不要で、新聞や食品の瓶の小さい字も見える。
同じ年の友人は、老眼鏡が必要だと言う。私が細かい文字を見られる状態を保っていられるのは、太極拳を続けたおかげだと感じている。太極拳や気功健康法を稽古することによって、目の周囲の血流を促してきたのが良かったのではないかと(勝手)に考えている。
「老いるショック」世代にとても良い運動、太極拳
老いに対する万能薬はない。だけど健康で長生きしたいなら、いろんなことを試して抗ってみてもいい。このブログでは、何度も太極拳の健康効果に触れてきた。
太極拳は、足腰の強化、転倒予防、脳の活性化、心肺機能の強化、骨を強くする、認知症予防…etc、とにかく良い効果がたくさん見込める運動。
競技用のアクロバティックな動きは、中高年が急に始めるのは無理かもしれないので、健康法として太極拳の動きを利用し、できる範囲でやれば良い。その動きは体に優しいので、中高年や老年から始めるのにとても良い。
「若くないからできない」とか、「運動神経が鈍いからできない」ということは無い。持病があってもできる動作が多いので、一度大きな病気や怪我を経験した人でも、太極拳を長く続けている人は私の周囲にも沢山いらっしゃる。
そして太極拳を学ぶことは、精神衛生上とても良い。ゆっくり動きながら深い呼吸をすることで、副交感神経が優位になりリラックスできる。イライラや落ち込みが酷い人も、太極拳をすれば不思議と癒される。
少し疲れが残っている時でも、緩やかな動作で疲労物質を流してしまえば良い。逆に激しい運動は活性酸素を増やしすぎるので良くない。
また、慣れない人が急に張り切って激しい運動をすると血圧が急上昇する可能性があるので、運動不足の中高年や老年世代が新たに始めるのには、激しい運動というのは抵抗がある。
太極拳のような運動を生活に取り入れ、ゆっくり動き、気持ちよく呼吸をしていると、体全体、指先、足先の毛細血管まで血流が良くなる。
筋肉を育て、新鮮な空気を上手く取り込むことで、全身の細胞の中のミトコンドリアの活動が活発になり、脂肪を燃焼し、代謝が良くなる。
コロナ禍でも、やる気さえあれば運動はできる
コロナ禍が長引いている今、感染者数の多い都道府県のスポーツ団体、カルチャーセンター、スポーツクラブなどは、会員数が減ったりして苦戦を強いられているところもあると思う。
そして昨年からのコロナ禍で、ステイホームなどという言葉が取り沙汰され、家からあまり出ていない中高年や高齢者が増えている。もちろん気がけてウォーキングなどの運動をしている人も中にはいらっしゃる。
でもコロナ禍になる前に比べて社会的な活動自体が減っている現状では、外出の回数が減り、個人が歩く距離も減り、体を動かす時間も一昨年までと比較したらグッと減っていると思う。
私自身、昨年(2020年)の4~5月頃、コロナ禍ですべての教室での稽古ができなくなった。自分が教えている方の教室も、習う方の教室も、カルチャーセンターもどこでも、利用できなくなった期間が2ヵ月以上あった。
その昨年のステイホームの時期、私は棒術の稽古を屋外で行ったり、家の中では、太極拳や、中国の健康法を毎日、無理のない範囲で行った。
特に決めてルーティン化してやっていたのは、「健身気功の五禽戯」と「練功十八法(3種類)」。これらをとにかく毎日家でやっていた。
この五禽戯と練功十八法(3種類)は、ともに非常に心地よい中国由来の運動で、体と心の疲れを癒し、気血の巡りを促し、骨や筋肉の機能訓練にもなる。
練功十八法というのは3種類あって、1種類の中に18の動作があるので、3種類を全部やれば54の動作を行うことになる。五禽戯と合わせてじっくりやれば1時間近くかかる。
これを昨年のステイホーム期間中、毎日続けたことで、私は運動不足にはならなかった。いずれも家の中で、広いスペースが無くてもできる、ゆったりとした呼吸を伴う気持ちの良い運動である。
→参考動画(健身気功 五禽戯)
→参考動画(練功十八法 前段)
※健身気功 五禽戯については、本ブログの過去記事で紹介済み。練功十八法についても、いつになるか分からないけれど、いつかこのブログで詳しく触れてみたいと考えている。
心まで沈んでしまわぬ様に
ステイホームだから運動できないという事はなく、家の中でもできることを見つけてやっていくしかない。そうしないと、このコロナ禍が長引けば長引くほど、中高年や高齢者の足腰は弱り、体を動かす機会が減れば、心も鬱っぽくなりがちになる。
長期的な外出自粛が社会に、人に、どんな深刻な影響を及ぼすのか。これはもしかしたら2,3年後に、今よりもっと大きく顕在化するのではないかと思う。
ウイルス相手では、人間は、(感染予防のほかは)なす術がないことをこの2年間で痛感した。ワクチン接種も、すべての人にすぐに行き渡るわけではない。
いま、個人ができることは、免疫力を落とさないように、筋力を保てるように、適宜、運動を取り入れて生活を整えながら、徹底して感染予防するしかない。
日本も、諸外国も、残念ながらまだコロナウイルスの脅威に勝てる見込みがないし、ウイルスを撃退する目処は全く立っていない。専門家と言われている人達だって、初めてのケースで何の予想もできない。
みんな暗澹たる気持ちに陥りがちだけど、心まで沈んでしまっては良くない。
だから気持ちの上では、状況を悲観し過ぎず、せめて頭の中では楽しいことを考えてみたい。「コロナ禍が収束したら、どこに旅行に行こうかな」などとワクワクするような希望を持っていたい。
そして、衰えを嘆いたり、コロナ禍になった世の中を嘆いてばかりいないで、みうらじゅんさんの様に、マイナス面でも冷静に面白く捉える余裕が欲しい。
「老いるショック」なんて表現を思いつくような柔軟な発想力を持ち、いつもユーモアのセンスを忘れず、辛さや寂しさを乗り越えたい。
深刻になり過ぎて悩まないよう、心に常に余裕がある状態でいたい。置かれた状況で、どう思考を切り替えられるかで、心身の健康状態の保ち方は変わってくる。
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