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人は軽くなる part.2

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以前書いた記事、【人は軽くなる】↓ https://zuihitsu-taikyokuken.blogspot.com/2022/08/keirei.html これに続き、久々に、また軽さを感じる感覚について書きたい。 小学生の頃 の想い出ばなしをし てみる。ある日、 私は家の近くの 階段を 下っていた。そのとき、 三 段 とばして一気に ポーンと 降りた。一瞬フワッと体が 浮いた。 ちょうど風が吹いて、小学生の軽い体 が あおられたのかもしれない。でも 、 あのとき確かに自分は 飛んだ。 「鳥のように空を飛んだ」感覚になった。人生のなかで「 空を 飛 んだ! 」 感覚になった のは、後にも先にも 、 あの時だけだ。 大人になり、 太極拳 の同じ 型を 何年もかけて、何度も何度もやっていたら、体が空に浮いたような、あのときの感覚が 少し 蘇った。 稽古を 何年も継続していると「 空中散歩 」している感覚が出てくる。 ふ わふわと浮いた感覚になる まで に、 のみ込みの悪い 私の場合、10 年近くかかった と思う 。 もちろん「体が軽く、浮いた感覚になる」といっても、上へ上へとわざと浮き上がる訳ではない。自分で上にジャンプしてはいけない。ただ、無駄な力を抜いて「自然に任せる意識」を持つと良い。 「重力に素直に従う」感覚を持てば、体は軽く感じられる。 床と友達になること。 自分がまとっているものは床にたらす。 でも、ただいたずらに沈むのではなく、頭部や頸部は上方へ緩やかに向かう。そうすると背骨まわりは潰れないで、ゆとりがある。 太極拳の動きでは、軸足の足裏を、床にシールの様に貼りつける感覚で、両足の重心移動を交互に行う。無理に上に伸び上がったりせず、踏実を実現する。そして緩やかに重心移動をする。 全身のりきみを無くし、雲が流れるように動く。その動きを何年も続けていくと、最初はぎこちなかった人でも、だんだん「なんと気持ちよいのだろう」と自分を軽く感じられるようになる。 床に沈むような感じが体全体で上手く表現できたら、そのことで鳥になった感覚になる。幽体離脱とまでは行かないけれど、無心になって練習していると、自分の何十キロかある体重は、あまり感じられなくなり、自分が空間の中に浮かんでいるようで足の運びは軽やかになる。 参考に「五勁等級(李雅軒)」について触れてみる。「五

冒険家の心意気

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ちょうど去年のこと。テレビのニュースをみて驚いたことがあった。それは、冒険家の堀江謙一さんが、 80 代なのにヨットでの冒険を決行し、太平洋横断を見事に成し遂げたニュースだった。それをみたとき、自分が高校生だった頃の記憶が蘇った。 そもそも私は、過去の細かい出来事を大抵、忘れている。友人や家族と話しているとき、人によっては何十年も前の学生時代の試験問題について、「こんな問題が出た」と具体的に覚えている人がいる。私には、そういう記憶は無い。授業や試験のことは、昔すぎて記憶にない。部活動で印象に残ったことや、特別なイベントの事ならば、さすがに少しは記憶している。 この堀江謙一さんという冒険家の方は、昔々、私が高校生だった頃、通っていた高校に講演に来て下さったことがあったのだ。去年のニュースをみたとき、“あの堀江謙一さん”が、いまだに現役であることに驚いた。登山家の三浦雄一郎さんもすごいと思うけど、堀江さんもすごい。 高齢者の中にも、お元気な方はいっぱいいらっしゃる。お元気とはいえ若者とは違うので、体のメンテナンスを怠らず、いろんな面で気を付けていらっしゃるのだろう。 つい最近、ネットで堀江さんのインタビュー記事を見たら、そこには、ギブアップしたくないとか、チャレンジという言葉が並んでいた。スーパーおじいちゃんとでも言おうか。いや、堀江さんは私の親世代だけど、“おじいちゃん”という表現は似合わない。 去年、映像で見た 84 歳の堀江さんは、昔々私の高校時代に見た姿よりも、むしろ今の方が断然、精悍でカッコよく、まるで若返っているかのように姿勢が良かった。高齢であっても、何かに夢中になって取り組んでいる前向きな人は、大抵、姿勢が良い。 私が高校生の頃、講演で聞いた堀江さんの体験談について、細かいことは正直、覚えていない。でも、いまだにはっきりと私の頭の中に記憶している堀江さんの言葉がある。それは「思い過ごし」という言葉だ。 堀江さんは、ヨットで世界を航行し、自然の脅威の中で生命の危機に直面しても、臨機応変に対応して凌ぎ、「(もうダメだと感じたが、それは)思い過ごしだった」とおっしゃっていた。私が覚えているのは、堀江さんが講演中、「思い過ごし」という言葉を複数回使っておられた事だ。 もしかしたら御本人からは、ただ何となく出た言葉だったのかもしれない。でも高校生だった私には、とて

焦りを感じるとき

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WBC をみて 先般のWBC 。日本の野球界にとって歴史に残る大会だった。私が野球観戦に夢中になったのは昔々のことで、工藤公康さんが現役時代によく応援していた。当時はよく球場にも足を運んだ。でも近頃はずっと太極拳がらみの日々を送っていたので、野球や他のスポーツ観戦に目を向けることが無かった。 私の親族はいつも熱心に大谷選手の試合をテレビ観戦して応援しているけれど、私自身はずっと野球などに関心なく日々を過ごしていた。しかしそんな私でさえ、さすがに今回のWBC では、“にわかファン”となり気分が上がった。 決勝の日、私は(もうすぐ期限が切れる)パスポートの更新に行き、パスポートセンター内のテレビ画面で優勝が決まる瞬間を観た。優勝が決まり、心の中で「良かった~」と思いながら申請処理の順番を待っていたら、あとからパスポートセンターに入ってきた高齢女性に話しかけられた。「優勝しましたか?」と。 その高齢女性に優勝したことを告げると、女性は「ああ、良かった。気になっていたんです!」と言った。そして今度は、そのまたあとから入ってきた若い女性とも会話しながら、「優勝したそうです!よかった、よかった。」と一緒に喜び合っていた。たまたまパスポートセンターで居合わせた見知らぬ他人同士が侍ジャパンの優勝を喜び合うとは、単純にスポーツっていいなと思った。 ああいった世界的なスポーツイベントになると、当たり前だけど上位のチームはどの選手も一流で、高い技術を持っているのは当然なので、最後はメンタルの整え方が大きく勝敗に影響するだろう。 2023 年、WBCでの大谷選手の目ヂカラ、遠吠えするような歓喜の表情。気迫は周囲に伝染する。もしあの試合で誰か1人でも諦めモードになってしまったら、派生して気落ちする選手も出ただろう。 メンタル面、心の揺れはその人の表情に強く表れる。野球から話がそれるけど、スポーツ競技で歴史に残るシーンといえば、浅田真央さんの事を思い出す。世界で最も素晴らしいスケーターの1人であり、競技選手時代は冬季オリンピックの金メダルを惜しくも逃した。あのときの顔の表情、目の様子はとても印象に残っている。瞳は怒りや緊張でいっぱいの様子にみえた。スケートの演技は歴史に残るものだった。ただ精神面での強さと落ち着き、心のコンディションを整えることに関して、ライバル選手の方が上手かったのかもしれな
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