優雅な動物の動き『五禽戯』~part.3(熊)

<熊戯>


🐻
~熊運~


熊運の動作は、健身気功 五禽戯の動物の10動作のうちで一番やり易く、鹿や猿の動作に比べると、拍子抜けするほど簡単である。

初めてこの五禽戯にチャレンジする場合、鹿や猿の動作は、初回はどうしてもコツがつかめず、例えば、鹿の重心移動があまり上手くいかなかったり、猿の動きで左右どちらなのか迷ったりしてしまう。

でも、この熊運は初めての人でもすぐに完璧に、気持ちよく動くことができる。立ったままで行い、足は肩幅に開いたまま。足のステップ切り替え、つまり足の上げ下ろしも無い。

ただし、意識をどこに置いて動作をするのか、気を付けて行った方がいい。

簡単だからといって適当に誤魔化さず、ぞんざいにこなさず、ゆっくりと丁寧に行った方がいい。でないと、せっかく運動しているのに、見当違いな動きに終始する羽目になってしまう。

熊といえば、どっしりと構える様子が思い浮かぶ。悠々と動いて鮭を捕獲するヒグマや、雪原をノッソノッソと歩くシロクマなどのイメージがある。

だから熊の動作では、そんな熊の悠々としたイメージを体で表せば良い。

大事なのは、体の奥の方の内臓に意識を向けること。手をお腹まわりに当てて這わせるような動きになっているけれど、実際には手を単独でグルグル動かしているのではなく、胃腸や臍下丹田に意識を向けて、お腹の中の内臓を動かすイメージで動いていく。手はそれについて動いていく。

この動作をすることで内臓マッサージ効果を得ることができ、胃腸の働きを活性化することに繋げる。そして臍下丹田に満ちた気を運行させ、全身の気血の巡りを促していく。

🐻熊晃


熊晃をする際にピッタリなイメージの言葉は、「のっし、のっし」である。熊晃で前進する時に、ひたすら「のっし、のっし」と進めば良い。

熊は、毛で覆われているせいか、結構太って見える。実際は、毛のせいでフカフカしているので、必要以上に巨大に見える面もあるだろう。野生の熊なんかは体脂肪率も見た目ほどはないらしい。いや、冬眠前はすごく高いのかも!?

熊の生態に詳しくないので詳細は不明であるが、とにもかくにも!、五禽戯を楽しんで、その気になってやるために、太っちょでどっしりした
熊さんのイメージのままに動いていい。


熊晃は、気持ちの良い全身運動である。

下半身は、しっかりした重心移動があり、特に前に出てトン!と脚を下ろす動作では、股関節まわりに適度な刺激が加わる。

上半身は、下半身の移動と協調する形で、上体のひねりが入り、伸び伸びと動くので、とても気持ちが良く、大自然を「のっし、のっし」と歩く熊さながら。

本当に、五禽戯ってよく出来た運動だなぁ~と思ってしまう。

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