優雅な動物の動き『五禽戯』~part.5(鳥)
鳥戯
🐤鳥伸
鳥戯は、五禽戯の動作の中でもっとも優雅で、とても心地よい。自分が空を飛んでいる感覚になる。心地よいゆえに、動作している時、かなりリラックスできる。
鳥伸のとき、呼吸と動作を合わせて調和させると、その心地よさは倍増する。腕が上がるタイミングで息を吸い、下がるタイミングで吐けば良い。他の動物の動作に比べて、呼吸と動作を合わせるのが簡単である。
それから手が頭上にあがったタイミングでは、背中側を反らす動作が入るが、この反らせ具合については、あくまでも「しなやかに気持ちよく」反らすのが良い。決して勢いをつけてガクッと曲げるような事はせず、腕が上がっていくのに合わせて、伸びやかに、しなやかに胸を張り、背中側が反っていく。任脈にそって胸まわりが伸び伸びと広がり、気血の巡りを促す。
指が翼の形になった手が後方へ伸び、飛んでいるようなポーズを取るとき、頭の中で遠く遥か彼方の上空を飛んでいるかのようなイメージを浮かべると、これがまたすこぶる気持ちが良い。地上にいながらにして空中散歩ができる。こんな健康体操は滅多にないと思う。
🐤鳥飛
鳥飛も、鳥伸と同様、呼吸に合わせて空を飛んでいくような感覚になる運動。何度か練習して動作を覚えてしまえば、何も考えずに体が勝手に翼をはためかせて飛んでいくような状態で、夢見心地の動きである。きっと脳内では幸せホルモンが出ていると思う。
動くときのポイントは、腕の上下をするとき、せっかく動物の動作をしているのだし、本当に“その気になって”翼を動かして飛んでいるていで動くこと。人間は飛べないけれど、気持ちよく呼吸をしながら翼(手・腕)を上下させていると、もう完全に鳥人間になってしまう。精神はちょっとした入静状態になっている。とにかく気持ちが良い。
健身気功 五禽戯の中で、開始前と開始後の動作(予備勢&収勢)を除く10動作のうち、この鳥飛は、最初の虎挙と並んで、動きが簡単で覚えやすい。五禽戯すべての動作を覚えていなくても、虎挙と鳥飛だけを毎日行えば、身体の気血の滞りを防ぎ、とても素晴らしい健康法&リラックス法になる。
五禽戯まとめ
5つの記事に分けて当ブログに五禽戯メモを書いてきた。五禽戯の動きの心地よさを文字にして尚、実感した。
※参考になる動画
1800年前、科学、医療の知識が現代よりも少なかった時代、各動物のしなやかな、獰猛な、機敏な、悠々とした、そんな生命力あふれる動きに魅せられ、あこがれ、「人間もあのようなしなやかな動きができるならば、健康でより生きやすい状態になるのではないか」、そんな感覚が古の人々にもあったのだろうか。
とにもかくにも、1800年前の華佗(先生)、今に残る健康法を考案して下さって本当にありがとう😘
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