優雅な動物の動き『五禽戯』~part.2(鹿)

<鹿戯>


🦌
~鹿抵~

鹿の動きで気をつけることは、軽快さと柔軟さの両方を兼ね備えて動くことだと思う。森林を駆け抜けるバンビちゃんをイメージすると良いと思う。

運動するとき、頭の中で特定のものをイメージする事はとても有意義なことで、特に五禽戯のような動物を想定した動きはイメージがつかみやすいので、頭の中で自分がその動物になったと思いつつ動けば、それらしい理に適った動きに繋がる。それができれば、機械的に体を動かすよりも、気持ちの上でもずっと楽しい。

鹿抵の動作で大切なポイントとなるのは、胴体上部、つまり胸まわりのひねり。このひねりは、体が硬い人、運動不足の人は、最初はしんどいと思う。体が硬いとあまり曲がらないと思うので、初めての方は無理は厳禁。

回数を重ねていく中で、徐々にグーッと後ろを振り返ることができるようになれば、かなり上半身の柔軟性が高まると思う。

胸まわりの筋肉は、呼吸筋群であり、この周辺の筋肉が硬い人は深い呼吸がやりにくくなっているはずで、代謝力も低下してしまう。この鹿抵の動作を試みて、もし自分の胸まわりの筋肉の硬さに気づいたら、無理しない程度に、少しずつ、何カ月もかけて胸まわりの筋肉をほぐすストレッチ等の運動を取り入れた方が良いと思う。

どんな運動でもそうだけど、やってみて初めて、自分の体のことが分かってくる。「自分の体のこの辺りは柔軟性がないな、硬いな。」とか、「この関節は、ちょっと曲げるのが辛いな。」などと、運動して初めて気づくことがある。

日常生活に一切、運動を取り入れずに何年も過ごしてしまった場合、自分の弱い部分や硬い部分のケアが遅れてしまう。そのまま年をとれば、柔軟性がなくなり、良い姿勢の維持が難しくなってくる。運動にトライしてみて、気づいたときがチャンスである。

この鹿抵の動作の際、下半身の重心移動も非常に大切。上半身をひねって後ろを振り返る動きのときは、重心は前の足にしっかり預けている形。両足の歩幅も少し広めにとらないとグラつく原因になってしまう。

稽古を重ねながら、足の重心移動をしっかりと行い、上半身の胸まわりが柔軟性を増し、後ろを振り返る動作のとき「後足のかかとが見える」ようになればOK。最初は無理をせず、安定感をもつことに注力しながら行いたい動作である。

🦌~鹿奔~


最初に前に手を出したあとに手首を緩める動作がある。この時、力は込めずに軽くストンと手首を落として、重心を前の足に移す。

この鹿奔の最初の動作では、小鹿が軽快に森の中を駆けていく様子を再現すればいい。決してどっしりした感じではなく、とにかく軽~く体が動く様子を再現する。

そのあと自分の後ろの部分、つまり背中、首、腰まわりをグーンと伸ばす動作。これが最も心地よいところ。この「グ~ン!」と後側を伸ばす動きは、五禽戯を初めて行う人でも、十二分に体を伸ばす気持ちよさが得られる。

「グ~ン!」と首、背中、腰を伸ばすことで、後側の督脈の滞りを取り、気の巡りを促す。とにかくものすごく気持ちがいい動き。

私は、健身気功 五禽戯の数ある動作の中で、この「背中グ~ン」が一番気持ちいいかも!と思う。

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